温暖化対策のグラスゴー会議に延期要請、議長は開催を主張
ロンドン(CNN) 11月に英グラスゴーで開催される予定の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)をめぐり、新型コロナウイルス感染対策の態勢が整っていないことを理由に延期を求める声が上がっている。
世界1500の環境団体が構成する「気候行動ネットワーク(CAN)」は7日、安全で公正な開催は不可能だとする声明を出した。
CANのタスニーム・エソップ事務局長は声明で、気候変動で最も深刻な影響を受ける国々がワクチンの供給を受けられず、欠席を余儀なくされる事態を懸念していると述べた。気候変動問題の交渉にもともと潜む力の不均衡が、パンデミック(世界的大流行)でさらに増幅されているとも指摘した。
CANはまた、英国が現地の感染状況に基づいて入国禁止の対象としている「レッドリスト国」の代表団や報道陣、市民団体がCOP26から排除されることに懸念を示した。この中には気候変動の悪影響を特に受けやすいモルディブやバングラデシュが含まれている。
これに対して、COP26の議長を務める英下院のアロック・シャルマ議員はツイッターを通し、予定通り11月に対面方式で開催するべきだと主張した。英政府は各国の代表団にワクチンを提供し、レッドリスト国からの参加も受け入れて隔離先ホテルの費用を負担すると説明した。
Climate change has not taken time off, which is why #COP26 must go ahead in person in November
— Alok Sharma (@AlokSharma_RDG) September 7, 2021
The UK is funding quarantine hotels for accredited delegates from red list countries
This is in addition to our vaccines offer to ensure an inclusive, accessible & covid-secure summit
だがCANによれば、ワクチンの優先接種を約束された代表団メンバーの多くはまだ1回目の接種さえ受けていない。隔離費用の援助についても英国側に繰り返し問い合わせているが、はっきりした回答がないという。
COP26が予定通り実現すれば、新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから対面方式で開かれる国際会議としては最大級の規模になる。