パリ市内の道路、時速30キロ制限に 不満の声も
パリ(CNN) フランス・パリ市内で8月30日から、ほぼすべての道路に時速30キロの制限速度が設定された。大気汚染や騒音を抑え、歩行者や自転車の安全を確保するのが目的だが、ドライバーからは不満の声も上がっている。
反対派は、速度制限によってラッシュアワーの渋滞が悪化し、温室効果ガスの排出量がかえって増える恐れもあると指摘する。
通勤の車を減らすため、市当局はさらに、公道上の駐車スペース14万4000台分のうち6万台分を削減。地下駐車場の活用を促し、歩道の拡幅や自転車レーンの新設を進める方針だ。
市当局が実施した世論調査によると、市内の住民のうち59%が新たな速度制限を支持している。一方、首都圏全体では反対派が61%を占める。
車道は交通渋滞が発生した=フランス・パリのセーヌ川沿い/LUDOVIC MARIN/AFP/Getty Images
市内では30日、配送業のドライバーがCNN提携局に「どこへ行っても渋滞だ。時間がないのに」と不満を漏らした。
一方、市の当局者は世界保健機関(WHO)の研究に基づき、速度制限によって交通事故の25%、死亡事故の40%を減らすことができ、騒音も半減するとの推計を示している。