バイデン氏、トランプ前政権のパリ協定脱退を謝罪
(CNN) バイデン米大統領は1日、英グラスゴーで開かれている国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で各国の首脳に対し、トランプ前政権のパリ協定脱退を謝罪し、脱退により米国が気候変動の目標で遅れを取ったとの認識を示した。
バイデン氏は「米国の前政権がパリ協定から脱退したことを謝罪する。脱退で我々は少し窮地のような状態に陥った」と述べた。
バイデン氏は今年1月、大統領への就任直後にパリ協定への復帰を宣言した。
バイデン氏は「米国民は4、5年前、気候変動が本当なのかどうか確信が持てなかった」「信じられない変化が起きている。皆さんと同じように切迫感を抱くようになっている」と述べた。
会議の冒頭の演説では、「現時点では我々は目標に達しておらず、尻込みやあいまいな態度、議論をしている余裕はない」と語り、各国に力強い行動を起こすように呼び掛けた。
「我々が団結すれば1.5度以内に温暖化を抑えるという目標は実現可能だ」との認識も示し、「我々の共有する未来を失わないために(この会議を)野心とイノベーションの10年の始まりとする必要がある」と述べた。
バイデン氏はまた、米国が農業や石油・ガス、森林伐採防止など、多分野にわたる革新的な解決策提供への関わりを示す新たな取り組みを打ち出すとも言明。長期的戦略や気候変動の適応に関する新たな情報を示し、欧州連合(EU)とともにメタンガス排出を10年後までに少なくとも3割削減すると約束するとも述べた。
自身の政権が目指す社会的セーフティーネット(安全網)やインフラの法案に含まれる気候変動対策にも触れ、「米国民に気候変動を語るとき、私はそれは雇用に関する話だと伝える」と発言。米国は責任から逃げず、こうした枠組みが「クリーンエネルギーへの歴史的な投資」になるとも語った。
バイデン氏はさらに、気候変動への対応は「道義的、経済的な責務」で、全ての国にとって「自国の利益」になると言及。最近のエネルギー価格の変動は、エネルギー源の多様化を進める契機になるとも述べた。