バイデン米政権、鉄鋼関税の緩和でEUと合意
(CNN) バイデン米政権は30日、欧州連合(EU)から輸入する鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課していた措置を緩和することで、EU側と合意に達した。
トランプ前米政権が2018年、鉄鋼に25%、アルミに10%の追加関税を課したのに対し、EUは米ハーレーダビッドソンの二輪車やケンタッキー州産のバーボンなどに報復関税をかけ、今年12月からはこれをさらに拡大する構えを示していた。
レイモンド米商務長官が記者団に語ったところによると、今後も関税自体は維持しつつ、EU産の鉄鋼とアルミに限って一定量の輸入を認める。これを受けてEU側は報復関税を取り下げる。
レイモンド氏によれば、EUとの交渉では鉄鋼などの生産過程で排出される二酸化炭素(CO2)の量を考慮した枠組みが初めて採用された。これにより、EU産や米国産に比べてCO2排出量が多い中国産の鉄鋼製品が不当に安く米市場などへ流れ込んできた問題を是正し、排出量を最低限に抑えている米国内の鉄鋼産業を保護することも可能になったと、同氏は強調した。
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は30日の記者会見で、バイデン政権はEUとの合意を通し、今世紀の2大課題である「気候変動」と「中国の不当な競争」という脅威に対応できると述べた。
米国内では早速、ハーレーダビッドソンやバーボンの生産者団体から合意成立を歓迎する声が上がった。