がん闘病の米女性、山小屋を襲うクマと「対決」 負傷も無事
(CNN) 米カリフォルニア州タホー湖近くにある山小屋に大型のアメリカグマ1頭が早朝侵入し、物音に気づいて階下に降りた66歳の女性を襲う騒ぎがこのほどあった。
医師を辞め、がん闘病中の被害者は負傷したものの無事で、回復しているという。
冷凍庫の中などを荒らしていた大型のクマは階段にいた女性を見つけると攻撃に転じていた。女性はあまりにも急進展だったため事態を認識出来なかったとしながらも、クマの大きな手が顔の前にあるのは見えたと振り返った。
クマはその後も2度にわたって攻撃する構えを見せたが、女性は叫び声を何度も上げながら、キルトやローブを投げ付けてクマをおびえさせるなどの対抗手段も講じた。夫や息子が自室から出て来た時、クマは小屋の外へ飛び出したという。
緊急通報を受け救助隊がその後到着し、女性は病院へ急きょ搬送された。出血がひどく、顔を含め体の多くの場所にひっかき傷などを負い、左胸近くにはかまれた傷跡も残った。
腹部には深い裂傷も被った。リンパ肉腫の化学療法を受けているため臓器が損傷し、致命的な結果をもたらすことも恐れたという。女性は免疫不全でクマは細菌を保持しているため、医師は感染症や膿瘍(のうよう)の予防策として抗体物質を投与した。
女性はサンフランシスコ湾地区のオリンダに居住。災難に遭った山小屋は夫婦で自宅を離れ、たびたび訪問出来る数少ない場所の一つだった。女性は新型コロナウイルスのワクチン接種を済ませたが、がんの化学療法のため新型コロナに感染しやすいリスクがあり、外出も気軽に出来ない境遇にあった。
今回襲ったクマが捕まるまで山小屋に戻らない考えだ。同州の魚類野生生物局は小屋にわなを仕掛け、捕獲すれば安楽死処分にする予定。
カリフォルニアのアメリカグマは同州に生息する唯一の種類のクマ。推定の個体数は2万5000〜3万頭。成長した雌の体重は最高で200ポンド(約91キロ)、雄の場合は350ポンドに達する。