コロナ禍の子ども、スマホなど画面凝視の時間2倍に 米研究
(CNN) 新型コロナウイルスの感染拡大で米国の子どもたちが携帯端末やパソコンなどの画面をにらむ時間が、コロナ禍の到来前に比べ約2倍となる1日あたり平均7.7時間に達しているとの研究論文がこのほど発表された。
小児科学に関する米医師会誌が掲載した。コロナ禍前の消費時間は推定で3.8時間だった。オンライン授業の時間は含まれず、ゲーム、ソーシャルメディア、メール送信、ビデオチャットやネットサーフィンなど娯楽面での消費時間に限った。
研究の対象は10〜14歳層の約5412人。画面を見る際の習慣や1週間前と比べ「悪化した」「良くなった」などの精神状態の自己診断、「克服出来ないような」ストレスの有無などの質問に応じた。
小児科の専門家らは画面を注視するより多い消費時間とストレスの訴えの関連性に注目。長期間にわたりソーシャルメディア上で悲観的な情報だけを求めてしまう傾向が原因の可能性があるとした。また、画面のより長い凝視は困難な時期における復元力を支える、体を使った活動や睡眠などの時間を減らすとも分析した。
研究結果によると、消費時間が少ない回答者の場合、家族や友人とより強い関係を有し、ストレスなどを乗り切る積極的な行動が多いことも判明した。
今回の論文作成を主導したカリフォルニア大学サンフランシスコ校のジェーソン・ナガタ助教(小児科学専攻)は、コロナ禍が収まっても画面により長く釘付けとなる行動はただちには消えないと分析。
教育や社会活動の場が対面方式に再度戻り始めてもオンライン上の選択肢の活用は増えており、画面凝視の時間はコロナ禍以前に比べより高い水準にとどまる可能性があると推測。その対策として両親らの成人が子どもが画面に向かう時間を制限し、就寝前の利用の回避を促すことを勧めた。