クルーズ議員、バイデン氏の約束は「不快」で「侮辱的」 最高裁判事後任めぐり
(CNN) 米共和党のテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)は、連邦最高裁判所判事に初めて黒人女性を指名するとのバイデン大統領の約束について、「不快」なものだとの認識を示した。これによりバイデン氏は他の米国人に対し、「あなた方には資格がない」と告げていることになると述べた。
クルーズ氏は1月30日に公開した自身のポッドキャスト番組で、「事実、彼(バイデン氏)は黒人女性でなければならないと約束する気でいる。私に言わせればこれは不快だ。そうだろう。黒人女性というのは確か米国の人口の6%ではなかったか。彼は94%の米国人に対し、『君らのことなど知らない。資格がないから』と言っていることになる」と述べた。
米国勢調査局によると、2019年時点で黒人女性の米国の人口に占める割合は7%だった。
クルーズ氏は続けて、バイデン氏の発言は実際のところ黒人女性に対する侮辱に他ならないとも指摘。「仮に彼が『法曹界で最高の法律専門家を選ぶ』と明言し、何人もの人物を検討したうえで最終的に黒人女性を指名するなら、『最も適格な人物を指名する』というその言葉も信用に足るものとなるだろう。ところが実際はそうした建前を口にすることさえない。『あなたが白人男性や白人女性なら、運がなかった。資格がない』。彼はそう言っている。」と述べた。
バイデン氏の判断は、クルーズ氏以外の共和党議員からも批判を浴びている。指名されるのは最も適格な人物ではなく、極左寄りの政治見解を有する人物となる公算が大きいとの声も上がる。
CNNはクルーズ氏に連絡を取り、さらなるコメントを求めた。
ロジャー・ウィッカー上院議員(ミシシッピ州選出)は28日、バイデン氏の氏名を受ける人物について、人種的少数者が優遇される「アファーマティブ・アクション」の「恩恵」を受けることになるとの認識を示した。
バイデン氏が誰を指名するのかは現時点で不明だが、ホワイトハウスはサウスカロライナ州連邦地裁判事のJ・ミシェル・チャイルズ氏らを含む候補者のリストを検討中だと明らかにしている。
ホワイトハウスのベイツ報道官は29日の声明で、トランプ前大統領が最高裁判事に女性を指名すると約束、実行したことに触れ、当時はウィッカー氏もこれを好意的に受け入れていたと指摘した。