米陸軍「ゴースト・アーミー」に議会黄金勲章を授与、バイデン氏が法案署名

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ゴム製の膨張式戦車の前に立つ米軍の極秘部隊「ゴースト・アーミー」の兵士/National Archives

ゴム製の膨張式戦車の前に立つ米軍の極秘部隊「ゴースト・アーミー」の兵士/National Archives

(CNN) バイデン米大統領は1日、第2次世界大戦中に編成された米軍の極秘部隊「ゴースト・アーミー」に議会名誉黄金勲章を授与する法案に署名した。同部隊は大戦中、ゴム製の膨張式戦車や偽の無線通信、音響効果のような欺まん戦術を駆使して敵をあざむく任務に従事した。

法案によると、通称ゴースト・アーミーは米陸軍の第23本部付特殊部隊と第3133信号任務中隊で構成されていた。火砲や航空機などに見せかけた膨張式装備を使用したり、「偽将官を配置した偽の本部」を設置したりして、ナチス・ドイツに「実際にはいない米軍の大軍勢がいる」かのように誤認させ、連合国軍から敵を遠ざける工作に当たった。

国立第2次世界大戦博物館によると、ゴースト・アーミーを構成する兵士の多くは技術者や建築家、美術学生のような創造性ある人材で、デザイナーのビル・ブラスや画家のエルズワース・ケリー、写真家のアート・ケインなど後に有名になる隊員もいた。

隊員は1100人程度だったが、あたかも3万人規模であるかのように敵に思い込ませることができたという。法案によれば、より大規模な米陸軍部隊に見せかけるため、偽の記章を縫い付けたり、車両に偽の塗装を施したりする対策を行っていた。

「ゴースト・アーミー・レガシー・プロジェクト」によると、隊員らは第2次世界大戦末期の欧州で従軍し、主に前線付近で20回あまりの任務を遂行したという。

最終任務となった1945年3月の作戦では、ライン川を渡ってドイツに入ろうとする米陸軍第9軍からドイツ軍を引きはなす計画を立案。「偽の無線通信網や、工事や砲撃のサウンドトラック、数百台のゴム製および本物の車両」を駆使して、2個師団の規模を持つかのように見せかけた。

終戦後、ゴースト・アーミーの存在と戦中の活躍ぶりは長年秘密にされていたが、1996年になって元隊員が記録した部隊の歴史が機密解除された。上院は昨年12月、下院は今年1月に議会名誉黄金勲章の授与を定めた法案を可決していた。

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