米ジョージア州知事選の共和党予備選、トランプ氏推薦の候補が敗北
(CNN) 11月の米中間選挙に向け、ジョージア、アラバマ、テキサスなど5州で24日、民主、共和両党の候補者を決める予備選が行われた。CNNの集計によると、ジョージア州では共和党の知事候補に現職のブライアン・ケンプ氏が選ばれ、トランプ前大統領が擁立していたデービッド・パーデュー元上院議員は敗北することが確実となった。
ケンプ氏は、2020年の大統領選で大規模な不正があったというトランプ氏の主張に反し、知事として州の選挙結果を認定した経緯がある。トランプ氏は予備選の対立候補としてパーデュー氏を送り込んでいた。
24日夜の勝利演説では、トランプ氏を名指しこそしなかったものの、「厳しい予備選のさなかにも、わが州の保守派は雑音に耳を貸さなかった」と力説した。
ケンプ氏によると、パーデュー氏は電話で敗北を認め、本選での協力を約束したという。
選挙戦では、他州からも共和党の現旧知事らがケンプ氏への支持を表明。23日夜にはペンス前副大統領が州内の共和党有権者に向け、同氏に投票することで「共和党が未来の党であるという強いメッセージを全米に発信できる」と訴えていた。
ジョージア州知事選の民主党候補は、単独で名乗りを上げたステイシー・エイブラムス氏に決まった。ケンプ、エイブラムス両氏は18年の知事選でも対決し、接戦の末にケンプ氏が勝利していた。
ケンプ氏は、勝利演説の大部分をエイブラムス氏への批判に費やした。
同州では州務長官の共和党候補を選ぶ予備選でも、大統領選をめぐるトランプ氏の陰謀論を否定している現職のブラッド・ラフェンスパーガー氏と、トランプ氏が推薦するジョディ・ハイス下院議員が対決している。
州司法長官の共和党候補には、トランプ氏推薦の候補を退けて現職が選ばれる見通しだ。
アラバマ州の共和党上院予備選では、トランプ氏が推薦を撤回したモー・ブルックス下院議員が健闘し、決選投票に進むとみられる。ブルックス氏はかつてトランプ氏を熱心に支持し、大統領選の結果認定にも反対したが、3月には大統領選を過去のこととして忘れようと呼び掛け、推薦を取り消されていた。
一方、トランプ氏が大統領選で大勝したアーカンソー州では、前政権で大統領報道官を務めたサラ・サンダース氏が共和党知事候補の座を確実にした。
またテキサス州では、司法長官の共和党候補を選ぶ予備選で、大統領選の結果を覆そうと訴訟を起こした現職のケン・パクストン氏が、H・W・ブッシュ元大統領を祖父に、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事を父に持つジョージ・P・ブッシュ氏を破り、勝利することが確実となった。