バイデン米大統領、7月に中東歴訪 サウジ皇太子と会談も
(CNN) 米ホワイトハウスは14日、バイデン米大統領が7月にサウジアラビアなど中東を訪問すると明らかにした。
中東訪問は7月中旬に予定されており、バイデン氏は最初にイスラエルとパレスチナ自治区ヨルダン川西岸を訪れる。その後、サウジアラビアのジッダに入り、湾岸協力会議(GCC)首脳会議に出席する。会議にはGCCを構成する湾岸諸国のほかに、エジプト、ヨルダン、イラクの首脳も参加する。
バイデン氏はイスラエルで、ベネット首相と会談するほか、米国が提供している防衛システムの視察や、スポーツイベントへの出席を予定している。ヨルダン川西岸のベツレヘムではパレスチナ自治政府のアッバス議長と和平協議再開の展望などについて話し合う。
バイデン氏はイスラエルからサウジ・ジッダへ大統領専用機で移動し、GCC首脳会議に出席する。
会談が行われるのが首都リヤドではなく第2の都市ジッダであることが、今回の訪問が正式な「公式訪問」よりも格が落ちることを象徴的に示しているといえそうだ。最後に米大統領がジッダを訪問したのは1990年で、ブッシュ(父)大統領のころだった。
政権高官によれば、バイデン氏は、サウジアラビアのムハンマド皇太子と「会談」するが、一対一なのか、もっと砕けた場になるのかは不明。
当局者によれば、バイデン氏はサウジ訪問を承認したものの、当初は、2018年に起きたジャマル・カショギ記者の殺害でムハンマド皇太子が果たした役割について代償を支払わせるという自身の約束を撤回するものとみられるとして難色を示していた。民主党議員の一部からはバイデン氏が中東訪問でムハンマド皇太子と会談するということに対して非難の声が出ている。
バイデン氏は21年2月、カショギ氏の殺害事件をめぐる調査報告書の公表を受けて、両国関係を「再調整」するとの考えを明らかにしていた。
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻や、世界的なエネルギー価格の高騰、イランの核兵器の脅威の増大など、世界の状況が大きく変わりつつある。これを受けて、バイデン氏は、米国の中東での長年のパートナーとの関係を修復する必要があると考えたとみられる。