インスタで金持ちぶり誇示の男、資金洗浄で禁錮11年
9月に裁判官に宛てた手書きの手紙の中で、同被告は2年間の拘置所暮らしを振り返り、「投獄されて以来、過去を振り返る時間が十分あり、欲に駆られて自分の家族の名や自分の幸せや自分の名を台無しにしてしまったことを悔やんでいる」と記した。
アッバス被告はかつて、札束を紙吹雪のように投げる動画をSNSに投稿し、不動産開発業者を名乗っていた。しかし米連邦捜査当局によると、詐欺で稼いだ2400万ドル(約35億円)あまりがぜいたく暮らしの資金源だった。
米カリフォルニア州中部地区検察によると、被害者の中には米国の法律事務所や米国外の銀行、英国のプロサッカーチームなどが含まれる。
このうちニューヨークの法律事務所が被害に遭った事件では、アッバス被告が仲間と共謀し、顧客の不動産借り換え資金と称して約92万3000ドルを自分たちの銀行口座に送金させてだまし取ったとされる。同事務所のパラリーガルは、一見、正規の銀行の電子メールアドレスに見えるアドレス宛てにメールを送信した後、偽の送金指示を受け取っていた。問題のアドレスは後に不正なアドレスだったことが分かった。
こうしたビジネスメール詐欺の手口では、取引先などに見せかけた電子メールやウェブサイトを使って企業などをだまし、送金するよう仕向ける。
アッバス被告はカタールの実業家から100万ドル以上をだましとった共謀の罪も認めている。米検察によると、同被告は銀行員になりすまし、カタールの学校への融資を装う不正なウェブサイトを開設していた。