米ロ、新STARTに基づく協議の再開で合意
ワシントン(CNN) 米国とロシアが新戦略兵器削減条約(新START)に基づく二国間協議を再開することで合意に達した。米国務省のプライス報道官が8日、明らかにした。
新STARTは米ロ間に残る唯一の核軍縮条約。両国が配備する核弾頭数などを制限し、相互の査察を義務付けている。バイデン米政権が発足した直後の昨年2月に5年間延長されていた。
二国間協議は昨年10月以降、開かれていない。相互査察は2020年3月、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けて停止された。新たな協議では査察再開が議題になる見通しだ。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、米ロ間の外交関係は冷え込んでいるが、米当局者らはロシアが新STARTに関心を示し続けていることを明るい材料と受け止めている。
米国が今年、核査察の再開を試みた際に、ロシアは米国での査察作業が妨げられているとして拒否した経緯がある。プライス氏は当時、米国の対ロ制裁はロシアによる査察の妨げになっていないと反論した。
CNNは先週、米情報当局の報告書を読んだ情報筋の話として、ロシア軍当局者らがウクライナで戦術核兵器を使用する条件などを議論していると報じた。一方で米当局者らは、ロシアは必ずしも核使用の準備を進めているとはいえず、プーチン大統領が使用に向けて動いた形跡はみられないと指摘している。