ホッキョクグマが街中に出没、親子連れが死亡 米アラスカ州
(CNN) 米アラスカ州西部でホッキョクグマが街中に出没して住民を襲い、女性1人と子ども1人が死亡した。
アラスカ州警察の17日の発表によると、ホッキョクグマは同州西部の町ウェールズで住民を追い回し、子どもを連れた女性に襲いかかって、別の住民に射殺された。
州当局の18日の発表によると、死亡したのは24歳の女性と1歳の息子だった。
警察と魚類鳥獣局は、天候の状況を見ながら現地入りを予定している。
ウェールズはアラスカ州西端の町で、米国勢調査によると人口は168人。
ホッキョクグマが人を襲うことは極めてまれで、野生生物保護団体ワイルドライフ・ソサエティの2017年の調査によれば、1870~2014年の間にホッキョクグマの生息圏(カナダ、グリーンランド、ノルウェー、ロシア、米国)でクマに襲われたという記録があるのは73件にとどまる。結果として死亡した人は20人、負傷した人は63人だった。
ただ、気候変動に伴う氷の融解でクマの行動は変化しており、人との遭遇が起こりやすくなっている。
「世界のホッキョクグマの中心地」とも呼ばれるカナダ北部マニトバ州チャーチルの住民は2021年、クマに遭遇することが普通になりつつあるとCNN語っていた。同地には秋になると、クマを見ようと大勢の観光客が訪れる。
クマのシーズンはハドソン湾が凍結する前の10月から11月にかけてピークを迎えるが、住民によれば、気候変動の影響でこの数十年の間にシーズンが長引くようになっているという。凍結が遅くなる一方で氷が解ける時期は早まり、クマが陸地にいる期間は長くなっている。
それでもホッキョクグマが人を襲うことは依然として極めてまれで、ロイター通信によると2013年以来だった。死者は1980年代初め以来、報告されていなかった。