アジア系米国人、5人に1人が「出自隠す」 差別や暴行に不安
(CNN) 米国に住むアジア系米国人の推定5人に1人は自分のアジア系の出自を他人に隠しているという実態が、ピュー・リサーチ・センターが8日に発表した調査結果で浮き彫りになった。
それによると、そうしたアジア系住民は料理や衣装、文化的・宗教的習慣などについて、非アジア系には口外しないことにしているという。
米国では新型コロナウイルスに関する偽情報の拡散などを受け、アジア系住民が襲われる事件が急増していた。
今回の調査は米国内でアジア系を自認する成人7006人を対象として、2022年7月5日~23年1月27日の間に面談方式で実施した。
ピューによると、アジア系が自分たちの文化の特定の側面を隠している理由は「恥ずかしい思いをするのが怖い」「気まずい質問をされたくない」「差別されるかもしれないと思うと不安」などさまざまだった。
回答は年齢や国、出生地によって差があった。自分たちの文化を隠しているという回答は、米国生まれのアジア系が約30%だったのに対し、アジア系移民は15%にとどまった。
アジア系の文化を隠すという人は年齢が若いほど多く、65歳以上では5%だったのに対し、18~20歳では約39%を占めた。
非アジア系に対して自分の出自を隠していると答えたのは、韓国系が約25%、インド系は20%、中国系19%、ベトナム系18%、フィリピン系16%、日系は14%だった。
一方、回答者の約半数は、家族の出自を反映してフィリピン系、韓国系、中国系といった民族で自分を表現することがあると答えている。
アジア系米国人の半数は、米国にいる友人はアジア系米国人がほとんどまたは全てだと回答。一方、米国生まれのアジア系の場合、そう答えたのは38%にとどまった。