イラン、地震の人道支援装いシリアに兵器密輸か 米・イスラエル当局者語る
(CNN) 米情報機関関係者やイスラエルの国防当局者はCNNの取材に対し、2月にシリアとトルコを襲った地震の被災者に対する人道支援物資を装って、イランが兵器や軍の装備をシリアへ密輸したと語った。
情報機関関係者は、イランのイスラム革命防衛隊の特殊部隊コッズ部隊がイラクからの車列を利用して、ひそかに武器弾薬をシリアに輸送したと話している。
情報当局者はこうした兵器について、シリア国内のイランを後ろ盾とする勢力に届けられるものだったとの見方を示した。過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)掃討の有志連合の一員としてシリアに駐留する米軍は、そうした勢力から繰り返し攻撃を受けている。
イスラエル国防当局者は、「イランのシリアに対する人道支援が、兵器を同地へ移動させるための隠れみのとして利用された」と語った。
兵器の輸送については米紙ワシントン・ポストが7日、マサチューセッツ州空軍州兵が昨年流出させたとされる米機密文書で明らかになった情報として伝えた。
米国のジョー・バイデン大統領は、シリアでイランを後ろ盾とする武装勢力に対する空爆を複数回命じている。直近では今年3月、イランのものとみられるドローンが有志連合の基地を攻撃して兵士など米国人6人が死傷したことを受け、空爆を命じていた。
2月にシリアとトルコを襲ったマグニチュード(M)7.8の地震では5万人以上が命を落とし、各国から支援が寄せられていた。