バイデン氏、スウェーデン首相と会談 NATO会議を控え敵味方にメッセージ
(CNN) バイデン米大統領は5日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を1週間後に控える中でスウェーデンのクリステション首相と会談した。バイデン氏は同盟国と敵国の双方にメッセージを送ることを念頭に会談に臨んだ。
政権当局者によると、バイデン氏はスウェーデンのNATO加盟をまだ認めていないトルコとハンガリーに対し、スウェーデン加盟への米国の揺るぎない関与を示そうと試みた。
ロシアのような敵国に対しては、NATO加盟国としての地位の有無にかかわらずスウェーデンとの軍事協力強化を支持する姿勢を強力に示したいというのが政権当局者の考えだった。
バイデン氏は大統領執務室でクリステション氏に対し、スウェーデンのNATO加盟を「切望している」と発言。「結論はシンプルだ。スウェーデンは我々の同盟を強化する」と指摘した。
バイデン氏とクリステション氏の会談は、リトアニア首都ビリニュスでのNATO首脳会議を1週間後に控えるタイミングに意図的に設定された。当局者によると、バイデン氏は首脳会議で、NATOの東側面における防衛態勢の強化と、最近のフィンランド加盟に伴うNATOの拡大にスポットライトを当てたい考えだという。
ホワイトハウスの当局者は一時、NATO首脳会議までにスウェーデンの加盟が承認されることを希望していた。加盟が実現すればロシアのウクライナ侵攻で新たに注目されたNATOの力を示すことになるため、当局者は数カ月にわたり膠着(こうちゃく)状況の打開に努めてきた。
ただ、米当局者は現在、来週のNATO首脳会議までにスウェーデンの加盟が承認されるとは見ていない。
ロシアのウクライナ侵攻を受けスウェーデンとフィンランドがNATO加盟を決意する中、NATOは昨年、スペインの首都マドリードで開かれた首脳会議で両国を正式に招待した。フィンランドは今年4月、正式に31カ国目の加盟国になったが、スウェーデンについてはトルコが国内でクルド人テロ組織の活動を許しているとして加盟に反対。正式承認は難航している。