クラスター弾のウクライナ供与、住民に脅威の不発率低いと米軍
試験発射での成果の見極めについては多くの方途があるとしながらも、「空中爆発」や「地上着弾時の起爆」の比率、15~30キロの距離における効用などに言及した。不発率の算定については、写真撮影での追跡、音響上の分析や人間の視認などの手段があるとした。
バイデン政権はウクライナへのクラスター弾提供に当たりロシアが現在投入しているものより民間人への危険度は少ないのを引き渡すと強調。米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、ロシア製の不発率は最高で40%とも明かしていた。
ただ、米軍のクラスター弾の試験実射で得られたデータの有効性については疑問の声も出ている。実射に適切だった気候条件などとは異なる環境や地形上の条件で実施した場合のデータの差異についての問題も提起している。
米国防総省当局者は、違った環境条件での試射を行ったのかについては明らかにしていない。
サリバン補佐官はまた、ウクライナへのクラスター弾供与は「暫定的」な措置とし、同国の弾薬不足を埋める間の「数カ月」単位のものになるだろうとの見通しを示した。
ウクライナ軍の砲弾の在庫は低水準にあると説明。クラスター弾を引き渡す方途を選んだことに触れ、民間人が被害を受けるリスクは認識しているとしながらも、「ウクライナが必要とする弾薬を与えずにして民間人が被害を受けるリスクは、我々の観点から言えば、より高い」と断じた。