米大統領就任なら麻薬対策でメキシコに特殊部隊派遣、フロリダ州知事
(CNN) 2024年の米大統領選への出馬を表明したデサンティス・フロリダ州知事は2日までに、当選すれば隣国メキシコに米軍特殊部隊を送り込み、麻薬密輸組織(カルテル)の掃討作戦を進めさせるとの公約を改めて表明した。
米アイオワ州での選挙活動で述べた。「カルテルが今のように支配権を握っているのを見るのは屈辱」とし、「米国を事実上侵略し、米国民を殺している」と断じた。
知事は最近実施された共和党の大統領選候補者を集めた討論会でも特殊部隊の派遣論を展開。関連の質問を受けて「就任の初日にそうする」とも主張していた。
「米大統領は軍の最高司令官として国防や米国民の保護のために与えられた権限を発動させなければならない。殺傷能力を行使するであろう」と続けた。
デサンティス陣営の報道担当者はCNNの取材に、大統領就任の当日に非常事態を宣言して全ての軍事的な資源を動員し、カルテルを麻薬テロの根源と決めつけるだろうと主張。国境付近の交戦規定も変えるとした。
連邦政府が保持する全ての能力を違法な薬物流入の阻止に投入し、デサンティス氏はこの目的達成のために全ての手段を講じるだろうとも述べた。
カルテルに対する軍事行動を促す共和党員はデサンティス氏だけではない。ただ、この問題の専門家は成果が乏しいカルテル対策へのいら立ちなどに理解を示しながらも、軍事手段に出た場合のメキシコとの間の外交摩擦への懸念にも注意を促している。
メキシコ政府が反発し、貿易問題の対立にも波及しかねないとの危惧も出ている。また、外国での軍事介入に関し大統領は必ずしも米議会の承認を得ていない事例があるとしても、後になって議会とその是非を巡って対峙(たいじ)しなければならない結末になるとも指摘した。