米ジョージア州の選挙干渉事件、トランプ氏ら被告19人全員での裁判は認めず 判事が命令
ワシントン(CNN) 2020年米大統領選の南部ジョージア州での選挙干渉事件を巡る裁判で、同州フルトン郡上位裁判所のスコット・マカフィー判事は14日、トランプ前大統領を含む被告19人全員での公判を目指した地区検事側の取り組みを退けた。同郡のファニ・ウィリス地区検事は、被告全員がそろった裁判を10月に開こうとしていたが、これを阻止する命令が下った形だ。
マカフィー判事は、トランプ氏と16人の共同被告人について、それぞれの日程で裁判が進むことになると発表。具体的な公判日には言及しなかった。
残る2人の共同被告人、ケネス・チェスブロ氏とシドニー・パウエル氏は迅速な裁判を求めており、10月に公判が始まる予定。
判事による今回の命令は、10月の裁判を望んでいなかったトランプ氏と共同被告人らにとって勝利を意味する。判事が示した日程では公判前手続きの一部しか確定しておらず、裁判自体が来年もしくはそれ以降まで行われない可能性が浮上している。
トランプ氏の24年前半の法務日程は、他の訴訟に絡む複数の裁判で既に埋まっている。同氏はこれらの裁判を、大統領選の選挙活動と合わせてこなしていくことになる。
トランプ氏の広報担当者は、「フルトン郡のファニ・ウィリス地区検事は政治的動機に基づき、不当にもトランプ大統領が法律上受けるべき適正な手続きを否定しようとした」「不当に裁判を急ぐことで自らの過激な政治基盤を喜ばせようとしたが、それはあっけなく失敗した」と指摘した。
マカフィー判事はトランプ氏と16人の共同被告人の公判日を設定しなかったが、14日の裁判所命令で示したスケジュールによれば、当該の裁判が行われるのは早くても今年の12月以降になるとみられる。
またこの日程に合わせて連邦裁判所も、一部の被告が自分たちの訴訟を同裁判所に移送しようとしている件について対応することになる。
19人の被告をそろって短期間で裁判にかけることを巡り、ウィリス地区検事は個々に裁判を行えば「多数の長期にわたる公判で、フルトン郡上位裁判所の人員に巨大な負荷がかかるだろう」と主張していた。