パレスチナ系6歳児の刺殺、大家の男が無罪主張 米
(CNN) 米イリノイ州シカゴ近郊で2週間以上前にパレスチナ系米国人の少年(6)が刺殺された事件で、少年を刺した大家の男が30日に出廷し、殺人罪とヘイトクライム(憎悪犯罪)の罪状について無罪を主張した。
地元保安官事務所によると、ワディア・アルファユーミ君は今月14日、同州プレーンフィールドの賃貸住宅で大家から26回刺されて死亡した。母親(32)も十数回刺されたものの、一命を取り留めたという。
大家のジョゼフ・チュバ被告(71)は調べに対し供述しなかったが、捜査員は「(被害者が)イスラム教徒であることや、ハマスとイスラエルの間で続く中東の紛争を理由に狙われた」との見方を示した。
チュバ被告は第1級殺人および第1級殺人未遂、ヘイトクライム、凶器による加重暴行の罪に問われている。
チュバ被告は今回、赤いつなぎの囚人服を着て出廷。すべての罪状について無罪を主張した。
大陪審は先週、チュバ被告を八つの罪状で起訴していた。有罪となれば終身刑を言い渡される可能性がある。
30日午前の審問にはワディア君の父親も出席した。
法定文書によると、チュバ被告は襲撃の直前、ワディア君の母親にイスラエルでの出来事に怒りを覚えていると語った。
母親が「平和のために祈りましょう」と答えると、チュバ被告は母親を刃物で襲撃。母親は風呂場に隠れ緊急通報したが、被告は息子のワディア君を刺し殺したという。
ワディア君の両親はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区にある村の出身。米イスラム関係委員会のシカゴ事務所によると、母親は12年前に米国に移住した。父親は9年前に米国に渡り、ワディア君は米国で生まれた。