ブタからの心臓移植、2例目の患者が死亡 術後6週間 米

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遺伝子操作したブタの心臓を移植したL・フォーセットさん(左)が術後6週で死亡した/Mark Teske/University of Maryland School of Medicine via AP, File

遺伝子操作したブタの心臓を移植したL・フォーセットさん(左)が術後6週で死亡した/Mark Teske/University of Maryland School of Medicine via AP, File

(CNN) 米メリーランド大学医療センターで今年9月、ブタの心臓を遺伝子操作したうえで移植する実験的な手術を受けた男性が、術後6週間で死亡した。

同センターによると、患者のローレンス・フォーセットさん(58)は最近になって拒絶反応の症状を示し始め、術後6週間で亡くなった。

執刀したメリーランド大学医学部のバートリー・グリフィス博士は声明で「フォーセットさんの最後の望みは、人間からの移植を受けられない人々にも新しい心臓をもらうチャンスが与えられるよう、私たちが経験から学んだことを最大限に生かしてほしいということだった」「周りに集まった医師や看護師たちに、愛していると声を掛けてくれた」と、故人をしのんだ。

フォーセットさんは心不全の症状で9月14日に入院し、6日後に移植手術を受けた。心疾患と基礎疾患のため、人間からの心臓移植は適応外とされた。

妻のアンさんは当時、「ただもっと一緒に過ごしたい、それ以外に望むことはない。2人で玄関ポーチに座ってコーヒーを飲めるだけでも」と話していた。

移植手術後の経過は順調で、理学療法を受けたり、家族とともに過ごしたりした。医師団は術後1カ月の時点で、心臓が問題なく機能していると確信し、機能を助けるための投薬を中止していた。グリフィス博士は当時、感染症や拒絶反応はみられないと述べていた。

医師らはフォーセットさんの免疫系を抑制して拒絶反応を防ぐため、実験的な抗体治療を試みた。しかし、拒絶反応は人間からの臓器移植でも最大の課題だと、同センターは指摘する。

ブタからの心臓移植手術は2例目。メリーランド大学では2022年1月、57歳の男性が世界初の手術を受けたが、2カ月後に死亡した。死因は複数の要因による心不全とされ、当初検出されなかったブタのウイルスの痕跡も報告された。

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