行方不明の中国人留学生、無事発見 外国人が「サイバー誘拐」標的に 米ユタ州
(CNN) 米ユタ州の警察は、「サイバー誘拐」の被害に遭ったとされる中国人留学生を無事に発見・保護したと発表した。留学生はテントの中に1人きりで、凍えておびえた様子だったという。
同州リバーデール警察によると、発見されたのはカイ・チュワンさん(17)。12月28日に留学先の高校が行方不明を届け出ていた。中国にいる両親は、息子の写真が届いて脅迫を受けたとして学校に連絡し、「誘拐犯から脅され続けたために」中国の銀行口座に8万ドル(約1100万円)を送金したと訴えていた。
警察はチュワンさんの銀行や電話の記録をたどり、同州ブリガムシティ付近の山間部に設置されたテントの中で31日にチュワンさんを発見した。
テントの中には毛布と寝袋以外に防寒装備はなく、わずかな食料と水のほか、犯行に使われたとみられる電話が数台があった。
行方不明の届け出が出される1週間以上前の12月20日にも、チュワンさんは同州プロボでキャンプしようとしていたところを警察に保護されていた。リバーデール警察は、チュワンさんがこの時点で既にサイバー誘拐犯に操られていながら、誰にもそのことを告げなかったとみている。
捜査の結果、チュワンさんがホストファミリーの自宅から無理やり連れ去られた形跡はなかったことが判明。警察は米連邦捜査局(FBI)や中国の米大使館と連携して捜索を続けていた。
FBIによると、米国内では外国人留学生、特に中国人を狙った同じような「サイバー誘拐」事件が発生しているという。犯行グループは留学生を脅して1人きりにさせ、ビデオ電話で監視しながら家族に身代金を要求していた。