地域社会に貢献のイスラム指導者、モスク前で銃撃され死亡 米ニュージャージー州
(CNN) 米ニュージャージー州ニューアークのモスク(イスラム教礼拝所)前で3日、地域社会の安全対策に貢献していたイスラム指導者のハッサン・シャリフさんが銃撃されて死亡した。
当局によると、シャリフさんは現地時間の同日午前6時ごろ、自身が運営するモスク前で銃撃され、重体となって病院に運ばれたが、午後2時20分ごろ死亡した。
米運輸保安庁(TSA)によると、シャリフさんは2006年からニューアーク・リバティー国際空港で運輸保安官として勤務していた。
州司法長官は同日午後の記者会見で、これまでの捜査の結果、偏見に根差す事件やテロ事件だったことをうかがわせる痕跡は見つかっていないと述べ、事件の解決に向けて全力を尽くすと説明した。
イスラム指導者のハッサン・シャリフさんが銃撃されて死亡した/Masjid Muhammad-Newark mosque
今回の銃撃事件の動機は不明だが、昨年10月にイスラエルとハマスの戦争が始まって以来、米国ではイスラム教徒やユダヤ系住民に対する脅迫や暴行、憎悪発言の増加が伝えられている。
同州エセックス郡は2万5000ドル(約360万円)の賞金をかけ、今回の銃撃に関する情報の提供を呼びかけている。
米イスラム関係委員会(CAIR)のニュージャージー支部は、「このような事件があっても扉を開き続けるよう、全てのモスクに勧告する。しかし反イスラムの偏見は増大しており、特に注意を払う必要がある」とした。
シャリフさんのモスクは、暴行事件などの容疑者に「安全な出頭」の場を提供するニューアーク市の制度に利用されていたといい、同市公衆安全局長はシャリフさんについて「全力で市を支え、市の安全を守る役割を果たした」と追悼した。