ガザ衝突で出動の米空母が地中海離れる、中東展開は1隻に
(CNN) 米海軍第6艦隊は6日までに、パレスチナ自治区ガザ地区での軍事衝突を受け地中海東部のイスラエル沖合に展開していた米空母「ジェラルド・R・フォード」を本国へ帰還させるとの声明を発表した。
国際規模での戦力配備の再評価に伴う措置とした。米バージニア州ノーフォークを母港とする同空母は昨年5月2日から始まり、約8カ月間続いた初の実戦任務に投入されていた。
米海軍では最大規模となる最新型空母で2017年に就役。ジェラルド・R・フォード級の1番艦となっている。ガザを実効支配するイスラム組織「ハマス」が昨年10月7日にイスラエルへ大規模奇襲を仕掛け、軍事情勢が緊迫化すると共に地中海東部へ出動していた。
同空母の帰港決定に伴い、中東地域に展開する米空母は「アイゼンハワー」の1隻のみとなる。
紅海ではイエメンの反政府武装組織「フーシ」による商船などへの攻撃が相次ぐ。アイゼンハワー搭載のヘリコプターなどは最近、救出に向かった商船を襲ったフーシの小型船3隻に反撃して沈没させ、乗組員も殺害していた。中東などを管轄する米中央軍は声明で、ヘリを攻撃してきた後の自衛措置と主張していた。
第6艦隊は、ジェラルド・R・フォードの任務は解かれるものの、地中海や中東地域で米海軍が保持する作戦遂行能力は維持し得ると指摘。声明で、米海兵隊のF35型戦闘機を搭載できる強襲揚陸艦「バターン」、ドック型揚陸艦「カーター・ホール」、ドック型輸送揚陸艦「メサ・ベルデ」が地中海東部で共同任務に就いているとした。
複数の誘導ミサイル駆逐艦も中東に配置されているとし、一部はフーシが発射するドローン(無人機)やミサイル迎撃に貢献したと述べた。米国は先に紅海南部の海上安全保障を確保するため多国間の「繁栄の守護者作戦」と称する作戦にも踏み切っている。