米、イスラエル人4人に制裁 パレスチナ人に暴力
(CNN) 米国務省は1日、発令された大統領令のもとでパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人に暴力を振るったイスラエル人4人に制裁を科したと発表した。
制裁では4人の金融資産を凍結し、米国への入国を禁じる。
ブリンケン国務長官は同日出した声明で、「イスラエルはヨルダン川西岸地区の市民に対する暴力を止めるためにもっと措置を講じ、暴力を振るった者の責任を追及しなければならない」と指摘した。
国務省によると、制裁の対象となった4人は、西岸地区で暴力や脅迫を直接行なった。建物や車両などへの放火、市民への暴行、器物損壊などを主導した人物も含まれている。
当局者によると、今回の大統領令の発令に先駆けて、ホワイトハウスはその旨をイスラエルに通知したという。
制裁について、イスラエル首相府は必要な措置ではないとする声明を出した。
イスラム組織ハマスと戦争を続けるイスラエルへの支援で、バイデン米大統領は支持層からの反発に直面している。今回の大統領令はパレスチナ自治区ガザ地区の現状を解決するものとはならないと予想される一方で、開戦以降、バイデン氏がイスラエルを批判すべく取った重大な措置の一つとなる。また、米国が停戦を求めないことに憤慨しているイスラム系やアラブ系の有権者への配慮となる可能性もある。
西岸地区には現在、約50万人のユダヤ人の入植者が住んでおり、パレスチナ人や国際社会が将来のパレスチナ国家の領土とみなす土地に侵入している。
入植地周辺ではこれまでも暴力が発生する傾向にあったが、ここ数カ月、状況は悪化している。