米軍のイラク・シリア攻撃、85目標のうち84を破壊または損壊 米当局者
(CNN) 米国防当局者によると、米軍は2日にシリアとイラクで行った空爆で、目標85カ所のうち84カ所を破壊または損壊した。イラン人が死傷した形跡はないとしている。
国防当局者によれば、暫定的なダメージ評価の結果、攻撃目標とした85カ所は、1カ所を除く全てで「破壊あるいは機能的ダメージを与えた」ことが分かった。
正確な状況についてはまだ見極めている段階だが、イラン・イスラム革命防衛隊のメンバーが今回の作戦で死亡した形跡はないと当局者のうち1人は話している。
ジョー・バイデン大統領は4日、米ネバダ州で同行記者団に対し、一連の攻撃はこの地域で武装勢力の活動を抑止し、混乱させる効果があると語った。
米軍はヨルダンで1月28日に米兵3人が死亡した攻撃への報復として、イラン・イスラム革命防衛隊やイランを後ろ盾とする武装勢力が使っているイラクとシリアの施設や兵器を空爆した。
米軍が両国を同時に空爆したのは初めて。イラクではシリアとの国境に近いカイムとアカシャットを標的とし、シリアではバルム、デリゾール、マヤディン近郊を標的として、指令拠点、情報拠点、ロケット、ミサイル、ドローン格納施設などを攻撃した。
攻撃後の記者会見で米統合参謀本部のダグラス・シムズ氏は2日、「そうした施設内の人々に関係する死傷者が出るだろうという想定で」目標を選定したと語った。
今回の攻撃をめぐっては、報復に出るまでに時間がかかりすぎ、イランとシリアで武装勢力のメンバーが退避する時間的猶予を与えたとしてバイデン政権が批判の的になっている。シムズ氏は2日、作戦に適した気象条件が2日夜になるまで整わなかったと説明した。