米カリフォルニア州に暴風雨と大雪 90万戸停電、洪水や土砂災害警戒
(CNN) 米カリフォルニア州上空に4日、長時間にわたって激しい雨を降らせる「大気の川」が流れ込み、暴風雨や大雪が続く中、生命を脅かす洪水や土砂災害、停電などに対して当局が警戒を呼びかけている。
警戒レベルが4段階で最も高い異常な豪雨の範囲は4日、カリフォルニア州南部のサンタバーバラやオックスナードに加えてロサンゼルスにも広がった。気象当局は、命を脅かす鉄砲水に警戒するよう呼びかけており、この地域では1時間の雨量が最大で約25.4ミリに達する見通し。サンフランシスコなど州沿岸部のリスクは「レベル3」とされている。
州の中部や南部では1カ月分を超す豪雨が予想され、ロサンゼルスのカレン・バス市長は2日、住民に警戒を呼びかけた。
サンタバーバラ、サンノゼ、ロサンゼルス、ベンチュラ郡では避難指示が出された地域もあり、当局が命を脅かす洪水や土砂崩れに警戒を促している。サンタバーバラ郡の学校は5日を休校とした。
米国立気象局(NWS)サンフランシスコ支部は4日、同支部としては観測史上初のハリケーン級暴風警報を出した。州全域で約18~27メートルの強風が予想され、山裾や山間部では42メートルを超す突風が吹く可能性もある。州のほぼ全域で内陸部の約3000万人に強風注意報や警報が出されている。
州東部やネバダ州との州境付近は大雪が予想される。シエラネバダ山脈では5日にかけて1時間に約5~8センチの雪が積もる見通し。標高の高い場所では暴風雪のために移動はほぼ不可能になると気象当局は予想している。
カリフォルニア州内では90万戸以上が停電に見舞われており、特に風雨が激しくなっている沿岸部では停電が急速に増えている。週の中部と南部を中心に、4日夜から5日にかけて停電の増加が予想される。
暴風雨の影響でサンフランシスコ国際空港は到着便少なくとも143便、出発便122便に遅れが出ている。4日は少なくとも100便が欠航となった。
カリフォルニア州で週末にかけて予定されていた自動車レースのNASCARとゴルフのPGAツアーは、いずれも悪天候のため日程を変更した。
大気の川は、飽和状態の大気を運んで消防車のホースのように雨を降らせる長く狭い降水帯で、カリフォルニア州は今月1日にも、ロサンゼルスなどで別の大気の川による記録的な大雨を観測したばかりだった。
しかし今回の大気の川の方が動きははるかに遅く、前回よりも長時間、雨が降り続くことが予想される。
今月1日にロサンゼルスで降った約63ミリの雨を合わせると、同地では2月の最初の1週間だけでほぼ1年分に相当する雨が降る可能性もある。
4日にはサンフランシスコ市内で土砂崩れが発生し、サンタバーバラでは洪水や倒木の被害が出ている。