米、ガザ情勢で決議案を安保理に提出 「一時停戦」求める
ニューヨーク(CNN) 米国が国連安保理の決議案を提出した。パレスチナ自治区ガザ地区で起きているイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争を巡って一時的な停戦を求める内容。イスラエル軍によるガザ南部ラファへの地上侵攻に対しても警告を発している。
ラファには今回の紛争を通じて家を追われたパレスチナ人数十万人が避難している。
米国はこの草案に先駆け、即時停戦を求めたアルジェリアの決議案に拒否権を行使すると発表していた。安保理はこの決議案の採決を20日午前に行う予定。
CNNが確認した米国の決議案では、「ガザでの一時的な停戦を実現可能な限り早急に行う」ことを求めている。ただ他の安保理構成国の大半が希望する即時停戦までには踏み込まなかった。
米国は伝統的に同盟国のイスラエルを国連による行動から保護する立場を取る。これまでも「停戦」の要求を繰り返し拒否。ハマスによる昨年10月7日のテロ攻撃に絡み、イスラエルには自衛権があるとの主張を強調している。また今回の戦争を巡る安保理決議案の採決では少なくとも2度、反対票を投じている。
米国の決議案は、イスラエル軍によるラファへの地上侵攻の影響にも言及。「民間人に対する一段の危害と強制退去につながる。近隣諸国へ避難民が移動する可能性もあり、そうなれば地域の平和と安全保障にとって深刻な影響を及ぼすだろう」と警鐘を鳴らした。
人質に取られたイスラエル人の解放要求も盛り込んだこの決議案は、20日に非公開で議論される予定。採決の日時は明らかになっていない。