米陸軍軍曹、中国へ機密情報提供で訴追 見返り4万2千ドル
(CNN) 米司法当局は9日までに、中国へ最新型兵器などを含む機密情報を繰り返し引き渡した罪などで情報分析を担当していた米陸軍軍曹を訴追したと発表した。
香港に住むとされる外国人への情報提供の見返りとして約4万2000ドル受け取っていたという。
訴追されたコルベイン・シュルツ被告は米陸軍第506歩兵大隊に所属していた情報分析官。最高機密情報にも接し得る権限を頻繁に悪用していたという。国防情報の入手や漏出の謀議などの罪にも問われている。
起訴状によると、香港の人物は2022年夏、同被告に接触。ロシアのウクライナ侵略で米国が得た教訓を台湾防衛にどう生かすのかの情報を求められ、最初に渡した文書の礼金として200ドルもらったという。
この後、2人の間のやりとりは急速に増えたとし、被告は同年7月に長期の協調関係を結ぶことも望んでいた。その後の数カ月間にわたって流出させた文書は高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」や極超音速ミサイルのもので、最新型戦闘機F22や中国軍に関する情報も与えていた。
また、高高度偵察機「U2」や大陸間弾道ミサイルなどの細部に関する機密情報も含まれていた。
起訴状によると、被告は22年8月下旬には香港の人物に「あなたに大量の情報を送り続けるだろう」と説明。できることなら「ジェイソン・ボーン」のようになれればよいのだがとも述べていたという。「ジェイソン・ボーン」は米人気アクション映画の主人公で、米中央情報局(CIA)の架空上のスパイとなっている。
被告は情報を流しては定期的に金銭を受け取っていたが、機微な情報がより多い文書の場合は金額が増えていた。22年7月~23年10月に起きた計約14回の支払いで約4万2000ドルを手にしていた。