米民間人30人超がハイチ脱出、国務省チャーター便の第1陣
(CNN) カリブ海の島国ハイチから、米国の民間人数十人が米国務省のチャーター機で19日までに避難した。ハイチはギャングの暴力と政治の不安定化によって国家としての機能が失われており、今後も避難が続く可能性がある。街に人影はなく、食料やガソリンといった生活必需品は不足している。
チャーター機は17日にハイチ北岸を出発し、米フロリダ州マイアミの空港に着陸した。国務省が明らかにした。機体には30人以上の米国人が搭乗。政府当局者らは現在、「次の措置に向けた支援」を行っているという。
一方、フロリダ州に拠点を置く非営利団体は、米国と同盟国の人々数十人をハイチから救出しようと活動している。ただ同団体によると、脱出に向けた支援を求める人々の順番待ちリストの人数は100人を超えているという。
首都ポルトープランスにいる米国人宣教師のジル・ドラン氏とその家族は、「流砂に沈み込んでいくような気持ちだ」「それでも生きていることに感謝している」と述べた。同氏の組織が週末、フェイスブックに投稿した。
国務省のパテル副報道官は18日、追加の措置の具体化を受けて避難希望者らに連絡を取る予定だと説明。ハイチの現在の人道的状況は世界で最も悲惨な部類に入ると付け加えた。
治安部門の情報筋によると、ハイチでは今月に入り危機が激化。対立する複数のギャングが組織的に騒乱を起こしたことがきっかけだという。
国連はこれらのギャングらが首都ポルトープランスの80%を制圧していると推計。食料や燃料、飲料水の供給は市全域で著しく制限されているという。