トランプ氏の箝口令、判事の家族含む形に拡大 不倫口止め料巡る裁判で
(CNN) トランプ前米大統領がポルノ女優への不倫口止め料支払いに伴ってビジネス記録を改ざんしたとして起訴された件で、米ニューヨーク州マンハッタン地区刑事裁判所は1日夜、トランプ氏に対し発していた箝口(かんこう)令の内容を判事やマンハッタン地区検察の家族への発言を含むものに拡大する判断を下した。
今回の判断に先駆け、トランプ氏は裁判を担当するフアン・マーチャン判事の娘を非難するコメントを発していた。マーチャン判事は、トランプ氏の言説によって裁判に関与する可能性のある人々は自分たちの愛する家族などに関しても恐怖を吹き込まれる恐れがあると警告。「そのような懸念は、疑いなく公平な司法行政の妨げとなり、法の支配それ自体を直接攻撃するものとなるだろう」と強調した。
これより前、マンハッタン地区検察は判事に対し、箝口令で守られる範囲を裁判に関与する人々の家族にまで拡大するよう要請していた。
先週発せられた箝口令ではトランプ氏に対し、証人や陪審、検察、裁判所職員、また検察及び裁判所職員の家族について公言することを禁じた。地区検察のアルビン・ブラッグ検事やマーチャン判事、同氏の家族は箝口令の対象に含まれていなかった。
この直後、トランプ氏はソーシャルメディアへの一連の投稿でマーチャン判事を批判。政治コンサルタント会社に勤務する同判事の娘を名指しした。続いて娘のものとするX(旧ツイッター)のアカウントから、複数の投稿を引用した。
裁判所の報道官は、判事の娘のアカウントについて2年前に停止されており投稿は本人のものではないと述べた。
トランプ氏は合衆国憲法で保障された表現の自由に基づき、自らの弁護や大統領選に向けた選挙演説を行う権利があると主張している。
同氏の弁護士らは1日、当初の箝口令からのいかなる拡大も認めないとする文書を提出。現状でも行き過ぎた措置だと主張し、命令に対して異議を申し立てる意向を示唆している。