パレスチナ系医師、米大統領との会合を「退席」 ガザ対応に抗議
(CNN) バイデン米大統領らが3日夜、国内のイスラム社会から少数の指導者らを招いて開いた会合で、パレスチナ系米国人の医師が米政権への抗議を表明するため、途中退席したことが分かった。
CNNはこれに先立ち、バイデン氏がイスラム教のラマダン(断食月)明けに合わせた恒例の夕食会を取りやめ、少人数の会合に変更したと伝えていた。パレスチナ自治区ガザ地区の住民が飢餓の瀬戸際にある状況で夕食会を開くことに招待客らが反発したためとされる。
会合に参加したシカゴの救急医、タエル・アフマド氏はCNNに、途中で退席したと話した。会合にはバイデン氏、ハリス副大統領、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)らが出席していたという。
アフマド氏は今年、医療NGOの一員としてガザを訪れ、激戦が続く南部ハンユニスのナセル病院で支援活動に参加した。会合ではこの時の経験を語り、イスラエル軍が計画している南部ラファへの侵攻に反対を唱えた。
会合の席にパレスチナ人が自分1人であることに失望したと伝えて退席したが、その前にラファで孤児となった少女(8)からの手紙をバイデン氏に渡した。手紙には「バイデン大統領、どうかラファ侵攻を止めて」と書かれていた。
同氏によると、バイデン氏は退席に理解を示したという。
ホワイトハウス当局者は会合後の声明で、バイデン、ハリス両氏はイスラム、アラブ社会の苦難を理解していると強調した。声明によると、バイデン氏はガザでの即時停戦と人質解放、人道支援の強化に向けた努力を改めて表明した。