トランプ氏「口止め料」裁判、22日に冒頭陳述へ
(CNN) トランプ前米大統領がポルノ女優への不倫口止め料支払いに伴ってビジネス記録を改ざんしたとして起訴された裁判は、19日正午までに陪審員の選定手続きが終了した。22日に冒頭陳述が始まり、大統領経験者を裁く米国史上初の刑事裁判は実質的な審理に入る。
裁判を担当するフアン・マーチャン判事は、約200人の陪審員候補の検討を迅速に進め、12人の陪審員並びに6人の補充陪審員を選定した。これらの陪審員が、ニューヨーク市での不倫口止め料支払いを巡る裁判で、トランプ氏の命運を決することになる。
陪審員が選定されたにもかかわらず、トランプ氏の弁護士らは新たな戦略的申し立てを駆使して裁判の阻止を図った。
19日午前に提出された新たな申し立ての中で、これらの弁護士はまたしても控訴裁判所に対し、裁判を一時的に停止するよう要求。裁判地をニューヨーク市マンハッタン地区から移すよう求めたトランプ氏の申し立てに対して判断が下るまで、審理を行うべきではないと主張した。
トランプ氏の弁護を担当するクリフ・ロバート氏はマーチャン判事に対し、陪審員の選定を3日間で済ませる中で、これほど多くの陪審員候補が先入観を理由に除外されている状況は「擁護できない」と訴えた。
トランプ氏は先週も、裁判地の変更を求める申し立てを行ったが退けられていた。
先週の時点で検察側は、陪審員の選定が行われていないことを理由に裁判地変更の申し立てを時期尚早だとしていた。
ロバート氏は19日、陪審員が選定された今、トランプ氏が改めて要望を提出するのは正当だと主張。また18日に陪審員候補の女性がメディアの注目に言及しつつ陪審員からの除外を求めたことにも触れた。
トランプ氏の弁護士はこうした陪審員側の不安について、ニューヨーク市内でトランプ氏の裁判を行うのが公平ではないことを証明するものだと指摘。トランプ氏を取り巻く風評の存在をその理由に挙げた。
これに対しマンハッタン地区検察の幹部は、陪審員の選定を「堅実な手続き」だったと擁護。公平な判断ができる陪審員が確実に選ばれ、先入観を持つ可能性のある候補は一掃されたとの見方を示した。