トランプ氏、箝口令違反で10回目の法廷侮辱罪 判事は収監も「検討」
(CNN) トランプ前米大統領がポルノ女優への不倫口止め料支払いに伴ってビジネス記録を改ざんしたとして起訴された訴訟で、裁判を担当するマーシャン判事は6日、トランプ氏が箝口(かんこう)令の違反により10回目の法廷侮辱罪を犯したとの見解を示した。いずれは収監を検討する意向も明らかにした。
マーシャン氏はトランプ氏に対し、状況を理解することの重要性を説明。「あなたを収監したいとは全く思っていない。あなたは米国の前大統領であり、次期大統領になるかもしれない人物だ」と述べた。
トランプ氏は箝口令違反により新たに1000ドル(約15万4000円)の罰金を科され、10日の業務終了時刻までの支払いを命じられた。先週、マーシャン判事はトランプ氏の過去9回分の違反に対する9000ドルの罰金を科していた。
箝口令の違反に対しては、最大1000ドルの罰金か最長30日間の投獄、もしくはその両方が罰則として科せられる。
当該の箝口令により、トランプ氏は証人となる可能性のある人物や裁判所並びにニューヨーク地区検察局の関係者らの大半について公言することを禁じられている。
トランプ氏の選挙陣営の広報担当者は声明を出し、箝口令は「違憲であり非米国的」とした上で、判事とその判断を批判した。
今回箝口令違反と判断されたのは、トランプ氏が先月22日のインタビューで口にした陪審員の構成に関するコメント。
この中でトランプ氏は「周知の通り、(判事は)裁判を異常なほど急いでいる。こんな進め方は前代未聞だ。陪審員の選定はあっという間に行われ、95%が民主党員だ。裁判地一帯はほぼ全員が民主党員だ。まさに純然たる民主党地域と考えていい。極めて不公平な状況だと言える」と指摘していた。