米政府高官、イスラエルのラファ侵攻に改めて警告
(CNN) 米国のブリンケン国務長官とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は12日、イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザ地区南部ラファへの侵攻に対して厳しい警告を発した。ラファで大規模な地上攻撃を行なえば、市民の犠牲が増え、イスラム組織ハマスの反乱を引き起こし、権力の空白が生まれ、その結果、再びハマスが権力を握ることになると予測した。
この発言の前には、バイデン米大統領がCNNに対し、イスラエルがラファに侵攻すれば特定の武器輸送を一時停止すると言明していた。
ブリンケン氏とサリバン氏は、バイデン氏がこの決断を下したのは血なまぐさく、無分別だと思われる作戦に米国の武器が使われるのを嫌ったからだと述べた。
両氏は同時に、イスラエルに自衛を委ねているという共和党や親イスラエル派の民主党議員の主張に反論しようとした。ブリンケン氏は国務省が先週、イスラエルがハマスに対する作戦で国際法を守っているかどうかについて完全な判断を下せず、人権保護団体や一部の議員から批判を受けたことの理由を説明しようと努めた。
ブリンケン氏は12日、CBSニュースに対し、米国はイスラエルがガザでの戦争の一環として、ハマスよりも多くの民間人を殺害したと考えており、イスラエルは民間人の死を減らすよう、さらに行動する必要があると述べた。
一方、サリバン氏は、イスラエルの作戦は「本当に大きな民間人の犠牲者」を出すものの、それでもなおハマスを排除できない可能性があると警告した。
バイデン氏がラファへの攻撃で米国の武器を使うべきではないと判断した理由の一端はそこにある。
サリバン氏は12日、米ABCニュースの番組で「だからといって、バイデン氏はイスラエルを見捨てたり、武器供与を打ち切ったりすると言っているわけではない。バイデン氏はハマス打倒に成功するとは思えず、最悪の被害をもたらす特定の作戦に言及している」と述べた。