元CIA職員、中国へ国防情報売り渡した罪認める 米司法省
(CNN) 米司法省は26日までに、米連邦捜査局(FBI)によるおとり捜査の対象となっていた米中央情報局(CIA)の元男性職員(71)が国防情報を中国に流出させていた罪を認めたと発表した。
司法省が引用した司法取引の内容によると、米ホノルル居住のアレクサンダー・ユク・チン・マー容疑者は1980年代に7年間にわたってCIAに勤務。2001年に中国の関係者と共謀し、中国の諜報(ちょうほう)機関に「米国の大量の機密扱いの国防情報」を売り渡していた。中国の共謀者の名前には触れていない。
容疑者は見返りとして数万ドルの報酬を受け取っていた。
容疑者はこの後、外国語の専門家としてFBIのホノルル支部に応募し、04〜12年に働いていた。司法省の報道発表文によると、FBIは容疑者と中国情報機関とのつながりを知りながら、捜査を進める手立ての一環として採用していた。
容疑者の行動や中国側との接触が監視できる場所で働かせていたという。CNNは以前、容疑者はこの期間中にFBIの事務所にデジタルカメラを持ち込み、機微な扱いを要する文書を撮影し、中国内の連絡先に届けていたとも報じていた。
20年8月に逮捕、訴追されていた容疑者は、中国情報機関当局者に渡した一部の機密文書に関連し、米国の利益を損ね、中国を利する情報だったことは承知していたと認めたという。
裁判所が今回の司法取引の内容を承認した場合、容疑者は連邦刑務所での禁錮10年の判決になるとみられている。