バイデン氏、討論会での低調ぶり認める 民主党内で選挙戦継続に疑念
ワシントン(CNN) バイデン米大統領の選挙陣営は28日、2024年大統領選から撤退するつもりはないと表明した。ただ、バイデン氏周辺は選挙戦継続を主張する一方、幅広い民主党関係者の間では土壇場での候補者変更を求める声が出ており、討論会での悲惨な出来栄えを受けて両者の溝が広がっている。
バイデン氏は同日、ノースカロライナ州で前日とは打って変わって気迫のこもった演説を行い、討論会が低調なパフォーマンスに終わったことを認めた。
「自分がもう若くないことは分かっている。以前のように楽に歩くことはできないし、滑らかに話すこともできない。以前ほど討論もうまくないが、自分が今何をしているのかは分かっている。私は真実を語るすべを知っているし、善悪を見極める方法も分かっている。大統領職を遂行する方法、物事をやり遂げる方法も分かっている」とした上で、「何百万人もの米国民が知っているように、打ちのめされても再び立ち上がることができる」と強調した。
バイデン氏の顧問らは28日午前、ホワイトハウス西棟から地元デラウェア州ウィルミントンに至る地域で、民主党議員や献金者などの主な支持者に電話をかけ続けた。27日夜に行われたCNN主催の討論会をめぐる混乱の拡大を抑えたい狙いがあった。
討論会でのバイデン氏の声はかすれ、口をぽかんとあけた表情が目立った。大統領が自分の考えを見失い、突然話を中断するという痛ましい場面もあった。バイデン氏のパフォーマンスは、史上最高齢の大統領を2期目に指名することに潜む政治的コストを浮き彫りにした。
選挙戦から撤退するかどうか聞かれ、バイデン陣営の広報は「ノー」とコメントした。
ホワイトハウスや再選をめざす選挙陣営は自信に満ちた姿勢を打ち出しているが、支持者の間ですら、バイデン氏周辺で選挙戦を中断するよう説得できる人はいないのかと問う声が上がっている。
民主党の複数の情報筋によると、民主党の議会指導者はバイデン氏に直接働きかける計画はない。上下両院選挙に集中して、討論会に対する国民のほとぼりが冷めるのを待ち、バイデン陣営の力を見極める予定だという。
民主党下院トップのジェフリーズ院内総務は28日午前、バイデン氏への支持を表明。ただ、ノースカロライナ州の集会でのバイデン氏の発言を待つ考えを示した。