米旅客機、工事閉鎖中の滑走路から離陸 現場の職員ら退避
(CNN) 米北東部メーン州ポートランドの空港で米サウスウェスト航空の旅客機が誘導路の建設工事のため閉鎖中だった滑走路からの離陸を行い、現場周辺にいた空港職員らが退避を迫られる異例の事態がこのほど起きた。
航空管制の通信記録などで判明した。航空無線サイト「ライブATC」の録音記録によると、今月26日に起きた混乱で、管制官らは同航空4805便に滑走路は閉鎖中であることを複数回、警告していた。
米国家運輸安全委員会(NTSB)や米連邦航空局(FAA)が調査を進めている。
同空港「ポートランド国際ジェットポート」によると、過去数カ月間続く誘導路工事のため滑走路の運用は夜通し中止され、毎朝5時45分に利用が再開される。これに合わせ管制塔の業務も夜間に中断する。
ライブATC」の録音記録によると、滑走路上には当時、空港車両もいた。4805便の操縦士に管制官らの警告は明らかに届いておらず、操縦士たちは異なる無線周波数を使ってボストン近くに拠点がある地域航空管制塔と交信していたことが記録に残っていた。
地域航空管制官は後になって、滑走路は閉鎖中で離陸したのは使用再開の3分前だったことを4805便操縦士に報告。操縦士は5時45分に再開したと考えた、と応じていた。地域航空管制官は「45分に再開したが離陸時間は42分だった」と補足していた。
FAAはCNNの取材に、同便は滑走路の閉鎖時間中に確かに離陸したことを確認。同機が離陸態勢を始める前に空港車両は滑走路を離れていたとも述べた。4805便の機体と滑走路上にいたとみられる空港職員がどの程度近づいたのかは不明。管制官は無線で職員らに同便の離陸のため退去を促していたという。
サウスウェスト航空によると、同便は離陸後、目的地への飛行を安全に続けた。NTSBなどとは接触しているとも述べた。