中国から逃亡の富豪、投資詐欺で有罪評決 米連邦地裁

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インタビューに際してポーズを取る富豪の郭文貴被告=2017年4月、米ニューヨーク市/Brendan McDermid/Reuters

インタビューに際してポーズを取る富豪の郭文貴被告=2017年4月、米ニューヨーク市/Brendan McDermid/Reuters

(CNN) 中国から米国に逃亡し、投資詐欺の罪に問われた富豪の郭文貴被告が16日、ニューヨークの連邦地裁で有罪評決を言い渡された。

郭被告はSNSのフォロワー数千人から投資の名目で計10億ドル(約1580億円)あまりをだまし取ったとして、不正利得の共謀や証券詐欺、通信詐欺、資金洗浄など12件の罪で起訴され、9件で有罪になった。

量刑は11月19日に言い渡される予定。数十年の禁錮刑を科される可能性がある。

連邦地裁の判事は郭被告の詐欺行為について、自身がぜいたくな逃亡生活を送る資金とするために、フォロワーが苦労して稼いだ金をだまし取ったと非難した。

被告は評決を言い渡されると、弁護チームや法廷に詰め掛けた数十人の支援者らにほほ笑みかけ、それぞれの弁護士と抱き合ったり、握手を交わしたりした。

泣きながら法廷を飛び出す支援者もいた。サッカーの元中国代表で、被告と緊密な協力関係にある郝海東氏は、コメントを拒否した。

郭被告は2014年に中国から逃亡。中国の高官や実業家の不祥事を暴くと称して作り話を織り交ぜたライブ配信を繰り返し、多数のフォロワーを獲得した。

トランプ前大統領の元側近で、議会侮辱罪の実刑判決を受け、今月収監されたスティーブ・バノン氏と親しい関係にある。

検察は先週の最終弁論で、被告がバノン氏の知名度を利用するため、同氏に100万ドル支払っていたと主張した。

さらに、被告が18~23年の間、フォロワーに自身の企業への投資を呼び掛け、仮想通貨(暗号資産)を使うなどの手口で10億ドル以上を詐取したと断じた。17年に中国と香港の当局が資金洗浄の捜査で被告の資産を押収した後、米国での生活を維持する資金に充てていたという。

一方弁護側は、被告は中国の反体制派として居場所を隠し、資金移動に仮想通貨を使う必要があったと主張。フォロワーに投資でもうけさせる目的には、中国共産党への当てつけという側面もあったと述べた。

これに対して検察は、「被告が真の反体制活動家なのかどうかは無関係。裁判の核心ではない」「被告は中国共産党への反感を共有する人々を食い物にしたのだ」と反論した。

検察はさらに陪審の前で、21年に隠し録りされた被告と部下たちとの通話を改めて再生した。

被告はこの中で、1億ドルの資金を企業間で移動できないことにいら立ち、中国語で「とにかく黙れ。恥を知れ」「地獄に落ちろ」などと怒鳴り散らしていた。

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