民主党全国大会2日目終了、オバマ元大統領夫妻が登壇 トランプ氏への「口撃」も
(CNN) 米民主党全国大会の2日目が20日、米イリノイ州シカゴで開催され、オバマ元大統領夫妻やハリス副大統領の夫ダグ・エムホフ氏など大物が登壇した。
民主党の大統領候補のハリス氏と副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事はウィスコンシン州で選挙集会を開いており、シカゴの党大会には出席しなかった。
シカゴの党大会には、ジョン・F・ケネディ元大統領の孫のジャック・シュロスバーグ氏や、ジミー・カーター元大統領の孫のジェイソン・カーター氏など新世代を代表する人々が参加した。シュロスバーグ氏はハリス氏について、祖父のように人生を公職に捧げたと述べた。カーター氏によれば、ホスピスに入院しているカーター元大統領は「カマラ・ハリスに投票するのが待ちきれない」という。
今回の党大会には共和党関係者の登壇も予定されている。20日には、トランプ政権下で大統領報道官などを務めたステファニー・グリシャム氏が登場した。グリシャム氏はトランプ前大統領について倫理観も同情心もなかったと批判。グリシャム氏はハリス氏に投票するとし、理由として「私は私の国を私の党よりも愛しているからだ」と述べた。長年の共和党員であるカイル・スウィートサー氏もハリス氏に投票すると表明。理由としては、トランプ氏が米国の労働者を気にかけていないことに気が付いたからだと説明した。共和党員でアリゾナ州メサの市長を務めるジョン・ジャイルズ氏は「ドナルド・トランプは口先だけだった」と批判した。
民主党からも大物が参加した。上院民主党トップのシューマー院内総務は、ハリス氏の下で米国は「より公平で、より自由な未来」になるとし、トランプ氏の米国に対する考え方を批判した。サンダース上院議員(バーモント州選出)は進歩的な政策を達成し続けるために米国民はハリス氏を選択すべきだと訴えた。メリーランド州上院選の民主党候補で、ハリス氏から長年にわたって助言を受けているアンジェラ・アルソブルックス氏はハリス氏との関係や検察官としてのハリス氏の経歴について発言した。
エムホフ氏は、妻のハリス氏は家族の支えであるとし、個人的な話題を披露した。エムホフ氏は、ハリス氏とのなれ初めや、ハリス氏がどのようにして連れ子2人の母親になったのかについて言及した。ハリス氏の義理の息子のコール・エムホフ氏が動画のメッセージで父親を紹介した。今夜のハイライトは、ハリス氏がしばしば「ブレンドされた家族」と呼ぶものだった。エムホフ氏の最初の妻のカースティン・エムホフ氏もVIP席の一画に座っていた。
ミシェル・オバマ元大統領夫人は「希望が戻りつつある」と述べ、ハリス氏の大統領としての資質を証明した。ミシェル氏はトランプ氏を攻撃し、トランプ氏が求めている最高の仕事は「黒人の仕事の一つかもしれない」と述べた。これは、トランプ氏の全米黒人ジャーナリスト協会のイベントでの発言を受けたものだった。オバマ氏は、ハリス氏とウォルズ氏をめぐり、バトンは渡されたとの認識を示した。オバマ氏は米国の人々に対して投票を呼び掛け、それは、米国がトランプ政権時の虚勢と失敗、混沌(こんとん)の4年間を必要としていないからだと訴えた。
党大会では各州の代表団が「ロールコール」と呼ばれる州ごとの票数の読み上げを実施し、ハリス氏を大統領候補に選出。ハリス氏はこれを受諾した。ハリス氏は民主党の大統領候補となれて光栄だと語った。ハリス氏は遊説先のウィスコンシン州で、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)の重要性を訴えた。ウォルズ氏は先月開催された共和党の全国大会を攻撃し、トランプ氏「ひとりのための戴冠(たいかん)式」と呼んだ。