トランプ氏のアーリントン国立墓地訪問、新たな論争に 墓地職員が撮影制止か
(CNN) トランプ前米大統領の選挙陣営が今週アーリントン国立墓地を訪れた際に、新たな論争を巻き起こした。墓地訪問は大きな混乱を招いた2021年のアフガニスタン駐留米軍撤退に注目を集める意図で行われた。
トランプ陣営の関係者2人によると、26日の墓地訪問中、スタッフがトランプ氏に同行しようとしたところ、物理的に制止されたという。墓地の広報担当者はCNNの取材に「トラブルがあり」「届け出を出した」ことを確認したものの、これ以外の詳細は明かさなかった。
墓地訪問に先立ち、トランプ氏はアフガニスタン首都カブールの空港で亡くなった米軍要員13人を追悼して花輪を手向けた。トランプ陣営はTikTok(ティックトック)に、悲劇から3年の節目に行われた訪問の様子を捉えた動画を投稿した。
トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で今回の件に触れ、陣営の写真使用が発端だとの認識を示唆。死亡した兵士の遺族による支持表明の声明も共有した。
遺族は声明で「我々はトランプ大統領の公式カメラマンやフォトグラファーの出席を承認した。神聖な追悼の瞬間を敬意をもって撮影し、こうした記憶をいつまでも大切にできるようにするための措置だ」としている。
ただ、CNNが入手したアーリントン国立墓地の声明によると、連邦法上、軍の国立墓地での政治活動や選挙活動は禁じられている。
トランプ氏の投稿に先立ち、公共ラジオNPRは「口論や暴行」があったと報じていた。事情に詳しい情報筋がNPRに語ったところによると、墓地の職員が近年の死者が埋葬されている区域での写真・動画撮影を阻止しようとしたところ、トランプ陣営のスタッフが「暴言を吐き、職員を脇に押しやった」という。
トランプ陣営の広報は暴行を否定したものの、ある人物が「厳粛な式典の最中、トランプ大統領のチームを物理的に制止した」と説明。トランプ氏のチームがこの主張を裏付ける動画を持っていることも示唆した。