混乱に見舞われた米軍のアフガン撤退、責任の一端はトランプ氏にもあり 元大統領補佐官
(CNN) 米国のトランプ前政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたマクマスター退役中将は28日までに、混乱に見舞われた2021年の米軍のアフガニスタン撤退を巡り、かつての上司だったトランプ氏にも責任の一端があるとの見解を示した。
CNNのキャスター、アンダーソン・クーパー氏との26日のインタビューで述べた。それによるとトランプ氏は17年の時点で米軍のアフガン駐留継続を決定していたものの、その後考えを変えたという。
最終的にトランプ政権はイスラム主義組織タリバンと合意。タリバンは米軍に対し、21年5月までにアフガンから撤退するよう求めていた。バイデン大統領は就任後、その日程を同年8月に先送りした。
17年初めから18年4月までトランプ氏の大統領補佐官を務めたマクマスター氏は「彼(トランプ氏)は決定を堅持できなかった」「人々が彼に以下の言葉を吹き込んで操ったのだと思う。『終わりなき戦争を終わらせる』、『アフガニスタンは帝国の墓場』などなど」と述べた。
バイデン政権で強烈な批判を浴びたアフガン撤退に関して、トランプ氏にも責任の一端があるかと問われたマクマスター氏は、「その通りだ」と回答した。
トランプ氏は26日、バージニア州のアーリントン国立墓地で行われた献花式に参加した。式では3年前のアフガン撤退時に死亡した米軍要員13人を追悼した。
式には当該の要員らの遺族も出席。トランプ氏は米軍によるアフガン撤退の混乱を巡りバイデン政権への批判を繰り返している。最近ではバイデン氏に代わり大統領選での民主党候補となったハリス副大統領にも矛先を向けている。
マクマスター氏は自身の新著の中で、トランプ氏に関する認識として、ロシアのプーチン大統領やフィリピンのドゥテルテ大統領(当時)といった強権を振るう外国の指導者からの称賛、承認をしきりに求めていたと書いている。それによって自らも同様に強い指導者と見なされ得ることが念頭にあったという。
クーパー氏とのインタビューではトランプ氏の意志決定プロセスを振り返り、広範な知見を持つ様々な人から話を聞いて結論を固めても、それを貫くことが出来ず、政策がぐらつくことが往々にしてあったと明らかにした。
マクマスター氏は17年2月に大統領補佐官に任命されたものの、翌年には辞任。国連大使やFOXニュースのアナリストを務めたジョン・ボルトン氏が後任に就いた。
再びトランプ政権で働く考えはあるかと問われると、マクマスター氏は自分が違いを生み出せると感じる政権であれば働くつもりだが、トランプ氏からはある意味使い尽くされているとの認識を示した。
ハリス政権で働くことに関する問いには、やはり効果的に役割を果たせるかどうか分からないと回答。中東に対する機微な政策などで見解の違いがあることを示唆した。