共和党のチェイニー元副大統領、ハリス氏に投票へ 米大統領選
(CNN) チェイニー元米副大統領は6日、11月の大統領選で共和党のトランプ前大統領ではなく、民主党のハリス副大統領に投票する考えを明らかにした。トランプ氏に「二度と権力を委ねるわけにはいかない」と警鐘を鳴らした。
チェイニー氏は声明で「米国の248年の歴史において、トランプ氏ほど我々の共和国にとって大きな脅威となった人物はいない」と指摘。「有権者に拒絶された後も、彼は権力の座にとどまろうと噓(うそ)と暴力を利用して選挙を盗もうとした。二度と彼に権力を委ねるわけにはいかない」と訴えた。
そのうえで「市民として、我々には党派よりも国を優先して憲法を守る責務がある。私がハリス副大統領に1票を投じるのはそのためだ」と結んだ。
ハリス陣営のオマリーディロン選対本部長の声明によると、ハリス氏はチェイニー氏の支持を誇りに思っており、「党よりも国を優先する彼の勇気を深く尊敬している」という。
チェイニー氏の娘リズ・チェイニー元下院議員はこれに先立ち、テキサス州オースティンの催しで、父親はハリス氏に投票する意向だと明らかにしていた。リズ・チェイニー氏自身、以前に「トランプ氏の突き付ける危険」を理由にハリス氏に投票する考えを表明していた。
リズ・チェイニー氏はこの日、共和党の正副大統領候補に猛烈な批判を浴びせ、トランプ氏を「下劣な人間」と形容。伴走する副大統領候補のJ・D・バンス上院議員ともども、「女性嫌いのブタ」と痛罵した。
一方、トランプ氏は自身のSNSトゥルース・ソーシャルに「ディック・チェイニーも娘も重要度の低いRINO(名ばかりの共和党員)だ」と書き込んだ。
チェイニー氏はジョージ・W・ブッシュ政権で副大統領を務めた筋金入りの保守派で、下院共和党の幹部職を歴任した。ハリス氏への支持は驚くべき動きと言える。
チェイニー氏は2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃後、共和党とトランプ氏に批判的な姿勢を示した。22年に再選を目指した娘の選挙戦の広告では、トランプ氏を「我々の共和国にとっての脅威」「卑劣な人間」と呼んでいた。