トランプ氏「口止め料」裁判、量刑言い渡しを大統領選後に延期
ニューヨーク(CNN) トランプ前米大統領が元不倫相手への口止め料を不正に処理した罪に問われている事件で、ニューヨーク州地裁のフアン・マーシャン判事は6日、量刑の言い渡しを今年の大統領選の後に延期すると発表した。理由の一つとして、大統領選の結果に影響を与えているという印象を避ける目的があると説明した。
マーシャン判事は4ページの書簡で、必要なら11月26日にトランプ氏に量刑を言い渡すと表明した。量刑期日の延期を求めたトランプ陣営の弁護士の要請に応じた措置となる。
トランプ氏は5月、トランプ氏と不倫関係にあったと主張するポルノ女優への口止め料支払いを隠蔽(いんぺい)するため事業記録を改ざんしたとして、34件の罪状で有罪になった。ただ、トランプ氏側の弁護士は最高裁による大統領の免責認定を理由に有罪評決の破棄を求めており、量刑の言い渡しは数カ月にわたって保留されている。
マーシャン氏は量刑言い渡しを延期した判断の中で、大統領選に言及。延期の理由の一つは、11月の選挙に影響を与える意図があるとの印象を避けるためだと説明した。
量刑言い渡しの延期に加え、最高裁の免責判断を理由に有罪評決破棄を求めるトランプ氏の申し立てについても、大統領選後の11月12日に判断すると明らかにした。
トランプ陣営の報道官はこの決定を受け、「マンハッタン地区検察による選挙介入の魔女狩りで量刑宣告が行われるべきではない」と説明。「米最高裁が命じているように、本件はハリス、バイデン両氏による他のでっち上げと共に棄却されるべきだ」としている。
マンハッタン地区検察官の広報は声明で「ニューヨーク市民12人からなる陪審は全員一致の迅速な判断により、トランプ氏に34の重罪で有罪評決を言い渡した。マンハッタン地区検察は裁判所が定めた新たな期日に量刑言い渡しに臨む用意がある」と述べた。