ローマ教皇、トランプ氏とハリス氏を批判 大統領選は「よりましな悪」の選択
(CNN) ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は13日、11月に実施される米大統領選に言及し、米国の有権者らが下さなくてはならない選択について「二つの悪のよりましな方」を選ぶものになるとの見方を示した。
共和党候補のトランプ前大統領が掲げる反移民政策と、民主党候補のハリス副大統領が打ち出す人工妊娠中絶の権利擁護の姿勢を引き合いに出し、どちらも「生命に反する」と断じた。
教皇専用機の機内で行った記者会見で語った。ハリス氏とトランプ氏のどちらがよりましな悪なのか、自分には分からないとした上で、「良心がある者ならだれもがこれについて考えるべきだし、実際に考える」と述べた。
フランシスコ教皇は前任者よりも政治的発言をする機会が多く、カトリック教会をより開かれた組織にする方向で動いている。中絶は意図的な人命の破壊だとするカトリック教会の教えを一貫して強力に擁護しつつ、移民など人命が絡む他の問題についても教会として無関係ではいられないとの立場を強調する。
以前には政治的問題について、より進歩的な立場を示唆していた。司祭らに対して中絶を受けた女性の罪を許すことを認めた他、同性のカップルに祝福を与えることも許可。気候変動について再三警鐘を鳴らしてもいる。
一方で、子どもを持たずにペットを飼う夫婦を批判する発言も行っている。これは共和党の副大統領候補、バンス上院議員が示した視点と軌を一にする。バンス氏は過去に子どものいない女性を「子なし猫好き女」と揶揄(やゆ)。子どもを持たない米国の指導層を「どちらかと言えば反社会的」と形容していた。
ピュー・リサーチ・センターによると、米国で有権者登録したカトリック教徒のうち共和党員もしくは共和党寄りを自認すると回答したのは52%、民主党員もしくは民主党寄りは44%だった。