トランプ氏の選挙介入事件、特別検察官が未開封の証拠提出
(CNN) 米国のトランプ前大統領が2020年の大統領選の結果を覆そうとした事件を巡り、ジャック・スミス特別検察官がこれまで確認されたことのない証拠を提出した。証拠には捜査の過程で記録したペンス前副大統領、トランプ氏の長女のイバンカ氏、トランプ政権の大統領首席補佐官を務めたマーク・メドウズ氏らによる証言の写しが含まれ、現在封印された状態で連邦裁判所の手元にあるという。
当該の証拠をいつ、どの程度一般に公開するかは、連邦地裁のタニヤ・チュトカン判事の裁量に委ねられる見通し。
裁判所への今回の証拠提出により、大統領選の結果の転覆を巡る最も包括的な視点がようやく米国民に提供される可能性がある。スミス氏は、共謀によって米国への詐欺行為を働いたとの罪でトランプ氏を提訴している。
提出された証拠には上記の証言の他、大陪審による判断の写し、連邦捜査局(FBI)が証人に対して行った聞き取りの公式記録と文書形式の証拠も含まれるとみられる。連邦最高裁は先ごろ、トランプ氏による大統領在任中の行為の一部について免責を認める判断を下した。検察側の証拠の提出は、こうした状況下でも自分たちの起訴を引き続き成立させようとする取り組みの一環だ。
提出された証拠は、トランプ氏が当時ペンス氏にかけた圧力について掘り下げる内容である公算が大きい。最高裁はこうした行為が免責特権の範囲内に収まる可能性を示唆している。
また21年1月6日に発生した連邦議会議事堂襲撃事件の周辺状況に関して、捜査員がこれまで把握した内容も明らかになりそうだ。この日、トランプ氏とその支持者らは、各州の当局者を説得して大統領選の結果の承認を阻止しようとしていた。
スミス氏は事前にチュトカン氏から、180ページに及ぶ証拠書類の提出許可を取り付けていた。この書類本体に加え、検察側は「相当数の」添付書類も交えながら重要証拠を提示する意向とみられる。