米アイオワ州でラッサ熱の死者、西アフリカで感染か
(CNN) 米アイオワ州保健福祉局は28日、西アフリカに最近渡航した住民が、ラッサ熱に感染して米国に帰国後間もなく死亡したと発表した。ラッサ熱はエボラ熱と同じウイルス性の出血熱で、米国での症例は極めてまれ。
死亡した患者は簡易検査でラッサ熱の陽性反応が出たことを受け、米疾病対策センター(CDC)が確認を急いでいる。
同局によると、患者は中年で西アフリカへの渡航歴があり、渡航先でラッサ熱に感染したと思われる。
米国内での感染リスクは「極めて低い」と専門家は指摘している。
ミネソタ大学感染症研究政策センターによると、西アフリカでは年間約10万~30万人がラッサ熱に感染している。一方、米国内で確認された症例は1969年以来、8例のみ。いずれも国外渡航に関係していた。
世界保健機関(WHO)によると、ラッサ熱の死亡率はわずか1%にとどまる。
感染すると発熱や疲労感、頭痛などの症状が出て、重症化すると出血や呼吸困難、胸部や背中、腹部の痛み、嘔吐(おうと)などの症状を発症することがある。ただし感染しても無症状の人が大半を占める。
人から人への感染はあり得るものの、一般的には感染者の体液に触れない限りは感染しない。
CDCによると、西アフリカではネズミの糞尿(ふんにょう)を通じて感染することが多い。ネズミそのものを食べて感染する場合もある。感染した場合は早期の治療が重要とされる。
アイオワ州当局はCDCや現地の保健機関と連携して調査や監視を続け、濃厚接触者の特定を進めている。患者はアイオワ大学病院で隔離されて治療を受けていた。
この患者は旅行中は発症しておらず、同じ旅客機に搭乗した乗客のリスクは極めて低いとCDCは説明している。