中学教師が狂犬病で死亡、教室にいたコウモリから感染か 米カリフォルニア州
(CNN) 米カリフォルニア州の中学教師が、狂犬病のため11月22日に死亡した。1カ月ほど前、教室で見つけたコウモリから感染したと思われる。
死亡したのは美術教師のリア・セネンさん(60)。友人によると、コウモリをすくい上げて外へ放した際にかまれたらしい。
「彼女は早朝、子どもたちが来る前に教室へ行ったところ、床の上にコウモリがいたのですくい上げて外へ放した」と友人は話し、その時にかまれたのかもしれないと推測。「引っかかれたりしたとは思ったかもしれない。コウモリは飛び去って、彼女は特に何も考えなかった。病気だったなどとは思いもせず、そのまま授業を始めて普段通りの一日を過ごした。娘にはそのことを話していた」という。
公衆衛生当局は、狂犬病の可能性がある動物と接触した場合は直ちに治療を受けなければならないと強調している。セネンさんが当時、治療を受けなかった理由は不明。
1カ月ほどたった11月中旬、セネンさんは発熱や手の震えを訴えて、同月18日に入院。翌日には医療措置としての昏睡(こんすい)状態に置かれ、4日後に死亡した。
セネンさんはカリフォルニア州ドスパロスのブライアント中学校に勤務していた。
州公衆衛生局は、セネンさんの症例が狂犬病だったことを確認した。
米疾病対策センター(CDC)によると、狂犬病ウイルスは感染した動物の唾液(だえき)や脳、神経組織などを含む直接的な接触を通じて感染する。治療しなければ死に至ることもある。
米国の症例はコウモリから感染したケースがほとんどだが、ほかにもスカンクやキツネ、アライグマなどの野生動物がウイルスをもっている。