ノルウェーの連続テロ事件、被告の責任能力認め禁錮刑判決
オスロ(CNN) 北欧ノルウェーの首都オスロと郊外の島で昨年7月下旬に発生した連続テロ事件で、オスロの地方裁判所は24日、テロ罪などに問われたアンネシュ・ブレイビク被告(33)に対し禁錮21年の判決を言い渡した。
被告と検察双方は控訴しない考えで、判決は確定することになった。裁判では犯行時の被告の精神状態の判断が最大の焦点となっていたが、被告に責任能力があったと認定した。裁判に伴う被告の精神鑑定では異なる判断も出ていた。
国粋主義者と称するブレイビク被告は裁判で、ノルウェーを多文化主義やイスラム系移民から守るための犯行だったと強調。精神を病む者による犯行との判断が下されるのを阻止するため、精神状態に問題はないとも主張していた。
検察側は裁判で、被告の精神状態には問題があり、犯罪の責任は問えないと指摘。被告は精神治療施設に収容される可能性も出ていた。
ブレイビク被告はスーツ、ネクタイ姿で判決公判に出廷。判決が下されると笑みの表情が少し浮かんだ。死刑制度を持たないノルウェーでは禁錮21年は最高刑に相当する。同被告は最低でも10年は服役しなければならない。
爆弾攻撃や銃乱射の連続テロ事件はオスロや郊外のウトヤ島で昨年7月22日に起きたもので77人が死亡する同国では最悪級の惨事となっていた。ウトヤ島では与党が主催する集会参加者らが標的ともなっていた。