国連代表がシリア入り、「虐殺」示唆する大規模墓地見付かる
(CNN) 泥沼化の様相を見せるシリア内戦で国連とアラブ連盟の合同特別代表を務めるブラヒミ元アルジェリア外相が19日、シリアの首都ダマスカスに到着した。数日間の滞在中、アサド大統領らと会談する見通し。
同特別代表は、今月25日のイスラム教の祝日「犠牲祭」までの一時停戦の実現を目指しており、シリア政府の同意を迫るとみられる。代表はシリア訪問に先立ち、中東諸国を訪問し、シリア内の暴力停止への努力を働き掛けていた。
ブラヒミ氏の報道官は、犠牲祭までの停戦実現について軍事力で優勢なシリア政府が最初に同意するよう求めると指摘。その後、反体制派の武装組織が即座に応じることを期待したいと述べた。この一時停戦案については国連とアラブ連盟も共同声明で支持を表明した。
一方、シリアの反体制派「地域調整委員会」によると、19日に判明した武装衝突などによる死者数は全土で少なくとも245人に達したと報告した。子ども20人が含まれる。昨年春以降に本格化した反政府デモをきっかけとするシリア内戦の死者はこれまで3万人以上とされる。
東部デリゾールで見付かった大規模墓地では80人以上の遺体が見付かった。墓地を調べた活動家によると、女性と子どもの遺体があった。一部には虐殺と焼死の兆候があり、オノで手などが切断されたことをうかがわせる遺体も見られたという。
墓地に同行した医師は、屋外で処刑された後、一部の被害者は焼かれたと証言。処刑の時期については1日前から1カ月前としている。